あるブログで知ったが、『戦後の
講談社と
東都書房』(
原田裕・
論創社)が出ている。
東都書房は
講談社の子会社として発足、昭和31年12月、社運をかけて
原田康子の『挽歌』を刊行した。これが大ヒットし、
東都書房の名を高めた。
原田裕のことは拙書『「挽歌」物語ー作家
原田康子とその時代」(釧路新書)で触れたが、
講談社の宣伝部の一人として斬新な『挽歌』の一連の広告を新聞に出し、その年の第10回「
電通広告賞」の新聞広告出版部門賞、製作者賞を受賞している。のちには「広告では『挽歌』は動かなかった。『挽歌』をベストセラーにのしあげたのは、なんといっても書評の力が第一、広告はその次だった」(『
ダカーポ』平成8年2月5日号)と言っている。『戦後の
講談社と
東都書房』には、『挽歌』がどれだけ取り上げられているのか、早く手に入れて読みたい。