2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

小松伸六ノート⑫ 五木寛之と小松伸六

五木寛之と小松伸六 昭和42年1月、『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞受賞した五木寛之(1932年~)に、小松伸六が初めて出会ったのはいつかわからないが、小松は「私は五木さんに三度ほど会ったことがある。親しくしゃべったのは、「小説現代」の文学風土…

小松伸六ノート⑪  渡辺淳一と小松伸六

渡辺淳一と小松伸六 小松伸六が、北海道生まれの直木賞作家渡辺淳一(1933~2014)を知ったのは、昭和39年から『北海道新聞』の「道新秀作評」を担当していた時であった。この年下半期の道内同人誌秀作で渡辺淳一の「華やかなる葬礼」に評価を与えた。その作…

小松伸六ノート⑩   深田久弥と小松伸六

深田久弥と小松伸六 小松伸六が、『日本百名山』の著者として知られる深田久弥(1903~1971)と出会ったのは、深田が、昭和21年夏に中国大陸から復員し郷里石川県大聖寺町(現加賀市)に移り住んでいたころであった。当時金沢大学の教師をしていた小松は、深…

小松伸六ノート⑨ 松本清張と小松伸六

松本清張と小松伸六 小松伸六が、昭和28年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞した松本清張(まつもと せいちょう、1909~1992年)の作品解説をはじめて書いたのは、昭和34年5月刊の『松本清張選集/時代小説・啾々吟(しゅうしゅうぎん)』(東都書房)で…

小松伸六ノート⑧  太宰治と小松伸六

太宰治と小松伸六 今も多くの人たちに読み続けられている太宰治(だざい・おさむ、1909~1948)は、40歳で心中自殺するなど波乱の人生を送った作家だが、小松伸六は昭和15年秋に、そんな太宰治の三鷹の家を太宰の中学時代からの友人阿部合成(1910~1972 画…

「パルコ文化を創った八人の装丁本展」

えっ!古本屋で展示会?/第四弾 「パルコ文化を創った八人の装丁展」 京都・10月16日(金)~18日(日)左京区Books Herrinng 東京・11月8日(日)~23日(月)西荻窪 モンガ堂 『北方人』に書誌を連載するかわじ・もとたか氏が「えっ!古本屋で展示会?」…

小松伸六ノート   ちょっと寄り道④

小松伸六が使ったペンネーム「小森六郎」「小森美千代」のこと 小松伸六が『赤門文学』『北国文化』でペンネーム内海伸平を数多く使っていたこは、文学事典等で知られるところである。そこには、小森六郎の名でいくつかの作品を書いているが、その内容からも…

小松伸六ノート⑦ 大佛次郎と小松伸六

大佛次郎と小松伸六 大佛次郎(おさらぎ・じろう 1897~1973)は、『鞍馬天狗』シリーズなど大衆文学、歴史小説、現代小説、ノンフィクション、童話などまでを幅広く手がけた作家で、昭和39年には文化勲章を受けている。小松伸六が大佛の小説とで出合った中…

小松伸六ノート⑥  原田康子と小松伸六

小松伸六ノート 原田康子と小松伸六 昭和60年10月、『北海道文学大事典』(北海道新聞社)が刊行され、小松伸六の項に「文芸評論家として新人発掘の炯眼には定評があり、原田康子の「挽歌」にいち早く注目し」(神谷忠孝)とある。また平成元年10月に『昭和…

富士霊園文学碑公苑に小松伸六の名が刻まれている

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。 昨年11月に再開したブログも、色々と多忙で更新できませんでした。その一番大きな仕事が、『生誕130年記念誌 三上於菟吉再発見』(三上於菟吉顕彰会・編)の編纂、2月4日発行に向けて、…