2020-01-01から1年間の記事一覧

『北方人』第35号を発行しました

10月15日、『北方人』第35号を発行しました。1年に3冊は出したかったが、今年の2冊目で、次は来年春の予定。なお、目次を下記に乗せた。 ――目次―― 時評/首都ベルリンのコロナ抗議デモ―――――――――――― 大木 文雄(2) 創作/昭和十年生れは損をする(5)―風の…

小松伸六ノート ちょっと寄り道③

小松伸六はいつから、自らを「拾い屋」と呼んだか。 今日の「ちょっと寄り道」は、小松伸六が『文学界』の「同人誌批評」時代の話。 角川書店の編集者として活躍した芸評論家・山本容朗(1930―2013)に、「新人作家の発掘家 浅見淵」(『現代作家その世界』…

小松伸六ノート ちょっと寄り道②

『赤門文学』同人、福田宏年のこと *8月5日、直木賞研究家のK氏より、福田宏年の妻について貴重なご教示をいただいた。一文の文章を訂正する。 昭和30年4月に刊行された、小松伸六主宰の第四次『赤門文學』の同人であった福田宏年(1927~1997)について、気…

小松伸六ノート⑤ 小松伸六と『赤門文學』 その四

第五次『赤門文學』と小松伸六 昭和33年12月の第10号で休刊になっていた第四次『赤門文學』、その2年後の昭和35年4月、第五次『赤門文學』復刊第1号として刊行された。小松は、「編集後記」に「十号まで出した第四次赤門文学が昇天したのは一昨年の十二月、…

小松伸六ノート/ちょっと寄り道①

田辺聖子『続 言うたらなんやけど』、佐藤愛子『晩鐘』の中の小松伸六 文芸評論家小松伸六の足跡を追う中で、意外なものにその名前を発見することがある。まず作家田辺聖子のエッセイ集『続・言うたらなんやけど』(筑摩書房、1976年刊。角川文庫、1981年4月…

小松伸六ノート④ 小松伸六と『赤門文學』 その三

第四次『赤門文學』と小松伸六 再び『日本近代文学大辞典』からの引用だが、「第四次は、昭和30・4~33・12.全10冊。編集は小松伸六。赤門文学会発行。復刊第1号に掲載の駒田信二『瓶の中の世界』はラジオ・ドラマ化され国際放送コンクール、イタリア賞を…

小松伸六ノート③ 小松伸六と『赤門文學』その二

第二次、第三次『赤門文學』と小松伸六 第二次「赤門文學」について、『日本近代文学大辞典』には「昭和23・6、11。全2冊。編集人近代文庫社内、赤門文学編集室。菊池靖と原子公平が旧同人とは別に再刊した。評論や翻訳に新鮮な魅力があり、荒正人、白井健三…

小松伸六ノート② 小松伸六と『赤門文學』その1

第一次『赤門文學』と小松伸六 小松伸六が、戦前の第一次『赤門文學』に、ペンネーム内海伸平の名で数多くの論考を寄せたことは、あまり知られていない。『北海道文学大辞典』には、「釧路生まれ。筆名内海伸平。」とあるが、『日本近代文学大辞典』の小松伸…

小松伸六ノート① 平野謙と小松伸六

平野謙と小松伸六小松伸六の最初の著書は、66歳の昭和57(1981)年2月に刊行した『美を見し人は―自殺作家の系譜―』(講談社)である。それまで、文芸評論家として膨大な仕事を残していたが、一冊も評論集が刊行されなかったのが不思議な評論家でもあった。そ…

『北方人』別冊、「小松伸六年譜」を刊行しました。

はてなブログを休止して2年、1年前に再開を告知して1年が経ったが実現せず、そして今日なんとか自分のためにと、書くことを決心しました。まず、『北方人』別冊「小松伸六年譜」を刊行したことを報告します。そして当分の間、一週間に一度ほどの近況と、時…