「明治古典会七夕古書入札会」

朝早めに出て、東京で午前中に仕事を済ませ、銀座のフタバ画廊に向う。「北方人」の表紙を飾ってくれる山本浩生君の二人展。アクリル板に描いた絵は幻想的だ。地図に描かれた繊細な緑の森も何かを訴えてくれる。若い芸術家から受ける刺激はいいものだ。
見終ってから、神田の古書会館に向かう。今日は一般の古書展ではなく「明治古典会七夕古書入札会」であった。せっかく来たので、目の保養をさせてもらう。著名作家の初版本、自筆原稿、書簡など色々勉強になる。そう、今日は七夕だったのだ。

戦前に出ていた釧路の『至上律』『港街』、山形の『犀』などが入った40冊あまりの束が出ている。更科源蔵が神保光太郎に出した書簡も。ふと、これらは神保光太郎の周辺から出たものではと想像する。当然高くて手に入れられないものばかり。
帰り、途中2ヵ所ほど下車して「ブ」に寄る。菅野昭正『横光利一』と、前から欲しかった朝日文庫『値段の風俗史(上・下巻』もみつける。この本は、その時代のものの価格が解かる、とかく便利なものである。