懐古する一日

仕事で竹ノ塚まで出かける。電車の中で『書店風雲録』を読み続ける。
ブッツフェアを最初に始めたリブロの話が中心の書店業界話だが、その手伝いをしたひとりに、無名だったの荒俣宏がいたという。取次ぎの日販、東販の話が頻繁に出てくる。30年前の学生時代(古い!)、学習研究社で長期バイトしていたときのことを思い出す。全国の書店から来るスリップの仕分けが仕事だった。みつはしちかこの「小さな恋のものがたり(チッチとサリー)」が爆発的に売れ、ほとんどがそれだった。当時の取次ぎには日教販、栗田書店というのもあったことを思い出す。
3時過ぎに解放され、竹ノ塚、越谷の「ブ」を回る。均一で、岡田茂自伝『波瀾万丈の映画人生』(角川書店)、ちくま文庫森まゆみ『不思議の町・根津』、仁田三夫『ルクソー賛歌』、平凡社ライブラリーのF・カフカ『夢・アフォリズム・詩』、あと『建築探偵術入門』(文春文庫)。この本、発行が20年前の1986年、当時あった多くの建物の多くが消えている。ビジュアル版だが懐かしい建物の写真を見ながら、なんて、日本は大切な文化的建物を簡単に壊してしまうのかと思ってしまう。
今日は、なぜか昔のことばかり思いだしてしまう、懐古する一日であった。