大正期の雑誌装丁話(1)

ゴールデンウイーク最後の日曜日、埼玉は雨、今日も一日本棚の整理をする。
中戸川吉二の作品が載った雑誌を久々に見ていたら、当時の装丁が気になりだした。そんな話を書こうと思う。
大正期の『新潮』の表紙を見ると、岸田劉生やその弟子であった河野道勢らの名前がある。そして、下の表紙を描いたのは「恩地孝」とある。恩地孝四郎の装丁の仕事が、たしか本になっている。それを見ていないのでなんともいえないが、これは恩地孝四郎の仕事であろう。左の静物を書いたスケッチなどは、晩年の、あの独特の幾何学的な画風から感じられないものがある。

 
『新潮』(大正9年8月号)と『新潮』(大正9年5月号)

ちなみに『新潮』(大正9年8月号)には中戸川吉二の南部修太郎の印象記「美しい顔の持主」が、『新潮』(大正9年5月号)には、久米正雄吉井勇らの「中戸川吉二の印象」が載っている。