謹賀新年

明けましておめでとうございます
関東の今年の正月は、穏かな日が続いた。おせち料理は、手作りに近く、故郷から送られてきた海老(北海縞海老)、釧路のししゃも、鮭を巻いた昆布巻き、近所の人からいただいた黒豆、近くの友人のファームで作くられた山芋、八つ頭の煮物などで、質素なものにした。

この正月に始めて読んだ本。芸能雑誌の『平凡』で一世を風靡した凡人社(のちのマガジンハウス)の創設者、岩堀喜之助の伝記である新井恵美子『マガジンハウスを創った男 岩堀喜之助』(出版ニュース社)である。あまり期待していなかったが、興味深い人物が次々と出てきて、多くのことを学んだ。岩堀喜之助が大政翼賛会宣伝部に在籍していた昭和18年ごろ、花森安治と一緒だったという話、陸軍画報社の社長であった中山正男(北海道生まれの作家で、ベストセラー『馬食一代』を書いている)から、戦後その社の版権を買い『平凡』の創刊にこぎつけている。また長い間、なぜ『平凡』と言う雑誌の名が平凡社と関係があるのか不明だったが、名付け親があの平凡社下中弥三郎であったことを知った。その『平凡』も当初は文芸雑誌に近く、「文壇大家処女作選集」を企画し、里見トンから処女作「お民さん」の掲載許可をもらったという。その後一世を風靡した芸能雑誌『平凡』に変貌していくのである。

マガジンハウスを創った男 岩堀喜之助

マガジンハウスを創った男 岩堀喜之助

しばらくブログで読書のことを書かなかったが、今年は復活したい。