小谷野敦氏『川端康成伝ー双面の人』(中央公論社)その他

小谷野敦氏より、『川端康成伝ー双面の人』(中央公論社)を拝受。感謝申し上げます。『谷崎順一郎伝』『里見紝伝』『久米正雄伝』に続く、作家評伝シリーズ第4弾である。読み始めると止まらない。中戸川吉二のことも数箇所出て来る。中戸川が参加した第4次『新思潮』の後を次いで、川端は大正9年に、第6次の同人になっている。その時川端は、『新思潮』継承の承諾のために中戸川のとこへ挨拶に出かけていると、今東光か川端の文章で読んだことがあった。このことは、今度出る『中戸川吉二作品集』の詳細な年譜に、書き落としてしまった。中戸川は昭和17年11月に47歳で亡くなるが、その葬儀に川端は出席しているが、そのことは書いた。そういえば、「結語」に林哲夫氏お世話になったとある。小谷野敦氏の作家評伝シリーズ、つぎは誰だろう。楽しみ!

川端康成伝 - 双面の人

川端康成伝 - 双面の人

札幌の小野寺克己氏より限定50部の『更科源蔵資料通信』第1号を拝受。労作『更科源蔵書誌』の追補と北海道学友会機関紙『北海道』(明治22年〜)の調査報告が載っている。更科・渡辺茂共編の『北海道の伝説』のアイヌ伝説のルーツを辿ったものだが、こんな雑誌の存在すら知らなかった。すごい労作である。