中戸川吉二の松岡譲宛書簡

先日のトークで、矢部登氏より中戸川吉二の松岡譲宛書簡の写しをいただいた。

消印は大正5年12月27日、小石川原町31の中戸川から本郷5丁目21の新思潮社松岡宛。文面は、「二ヶ月ばかりの下宿生活を引きあげて、昨日から再び自家へ、舞い戻つてまゐりました。新思潮の新年号を早くみたいものでございます」とある。大正5年のこの年、20歳の中戸川は里見トンの弟子になったばかりで、まだ作家デビューしていない。第五次新思潮の同人になるのは、2年後の大正7年である。早くから新思潮の愛読者で、同人たちと交友があったことを示す、貴重な資料である。
本を読んでくださった人たちや、31日のトークに来てくださった人たちが感想をツィートしてくださったので紹介する。
Foujita Kanako ‏@foujika 8月27日
勉誠出版の『中戸川吉二作品集』は、大正12年刊『中戸川吉二選集』の十篇と「縁なき衆生」の計11作品の復刻に加えて、新たに編んだ「随筆 評論」、「解説」「資料」を付した、ゆまに書房の《コレクション・モダン都市文化》のような構成が極私的に嬉しい。盛厚三さんによる「資料」が素晴らしい。
Foujita Kanako ‏@foujika 8月27日
数年前、当時は京橋図書館で借りられた大正期の初版本を借りて、『中戸川吉二選集』収録の短篇十篇と長篇小説『北村十吉』を読みふけったのはとてもよい思い出。中戸川を精読するのはそれ以来だから、ずいぶん久しぶり。巻末の「資料」を手がかりにいろいろ逍遥しようと張り切っている。嬉しいなあ!
・ ブックス&カフェ・ブーザンゴ ‏@bousingot 8月28日
…先ごろ『中戸川吉二作品集』(勉誠出版)編纂の大業を成し遂げられた盛厚三(北方人)さんにも久々にお会いして、色々と有益なお話を伺う。中戸川がロシア系クォーターってのは知らんかったなァ。市村羽左衛門大泉黒石平野威馬雄、中戸川、…明治〜昭和の世は、ことのほか彼らに厳しかったろう。
・ブックス&カフェ・ブーザンゴ ‏@bousingot 8月29日
昨年の早稲田中学の入試に、中戸川吉二『イボタの蟲』が出題された由、北方人さんから伺った。そう云えば、今年の大学センター試験には、牧野信一『地球儀』が出たそうだ。中戸川と牧野、同い年だけど、マニアック度では早中の勝ち…? きっとあの中学は、数年後に多く古本小僧を輩出することだろう。
Pippo ‏@pippoem 8月31日
伝説の“ポエカフェ:パンの會”篇でおなじみ? 盛厚三氏編『中戸川吉二作品集』トーク(w南陀楼氏&矢部氏)@記憶の蔵、参加。相変わらず、熱いな盛さん!! 紹介された中戸川吉二の作品群(猫の目ふう自叙伝小説)がすごい面白そで、ちゃんと読みたいな。三年位の文壇光臨て、ランボオみたい..
・ISOGAI 1 ‏@ISOGAI_1 8月31日
牧野信一中戸川吉二の交友関係は知らなかった。「交友記」(牧野信一http://www.aozora.gr.jp/cards/000183/files/52835_44699.html
南陀楼綾繁 ‏@kawasusu 8月31日
谷根千〈記憶の蔵〉での中戸川吉二トーク、予想以上にお客さんが集まってくれ、この幻の作家についての話を熱心に聴いてくださいました。終わってからの懇親会も盛り上がりました。地味ーなテーマですが、不忍ブックストリートで主催する意義がありました。盛さん、矢部さん、ありがとうございます!
南陀楼綾繁 ‏@kawasusu 8月31日
今日のトークで面白かったこと。盛さん、矢部さんは長年の中戸川吉二愛読者だが、私は『中戸川吉二作品集』を読んだだけ。それなのに、トークが進むにつれて、中戸川がどんどん好きになっていった。最後にはよく知らないのに「うちの中戸川を読んでほしい」という気分に。
・kawamoto mari ‏@mosscosmos 8月31日
夕方から蔵当番へ。 『中戸川吉二作品集』刊行記念トーク@谷根千〈記憶の蔵〉、盛厚三近代文学研究者)+ 矢部登(文筆家)× 南陀楼綾繁(ライター)。 あゝ、面白かったー。 中戸川吉二作品集 /… http://instagram.com/p/drsklPEecZ/
・ISOGAI 1 ‏@ISOGAI_1 8月31日
盛厚三さんによれば、中戸川吉二の「兄弟とピストル泥棒」の舞台は、桜木紫乃の「ホテルローヤル」のラブホがあるあたり、だそうだ。
Pippo ‏@pippoem 8月31日
中戸川吉二は、相当に神経質かつ繊細で、多感な(自分の悲しい、恥ずかしいこと思い出しぽろぽろ泣いちゃうような)人だったようだけど。とても優しい人間で、相手側の感情を敏感に察知して、言動を変え、そのとき目が“猫の目”のように、キラキラ、くるくる動くそうで。
・ Tinami SANGO ‏@tinamisango 8月31日
昨日「記憶の蔵」にて『中戸川吉二作品集』刊行記念トーク。全く未知で幻の作家だが、伝説トークだけでも面白かった。ほぼ実話ばかりを書いていたが根気が続かず三年ほどで筆を折ったという。『アツプルパイ、ワン』という短編あり。大正〜昭和初期のアップルパイのハイカラ度はどのくらいか気になる。
・駄々猫 ‏@dadanekochat 8月31日
昨日の中戸川吉二トーク@記憶の蔵、面白かった。まだまだ知らない作家さんがいっぱいいます。私は今生きてる人の本が好きだけど、昔の作家さんの本もたまには読もう。
友人が撮ってくれた会場の写真追加します。