玉井裕志氏より『拝根線』をいただく

昨年の夏、北海道別海町の「玉井裕志文学館」を訪ねたが、その館長の作家玉井裕志氏から『拝根線』が送られてきた。小説「拝根線」は、1982年10月の文芸誌『海燕』に載ったもので、その復刻版として、別海町の矢臼別平和公園クラブが今年6月に刊行したものである。「玉井裕志文学館」があるもと玉井氏の牧場は山田洋次監督の「遙かなる山の呼び声」(1980年)の舞台にもなっている。題名の「拝根線」とは、根釧原野での戦後開拓時代(パイロットファーム)にブルドーザーで積み上げられた立木や根株を積み上げた帯状の土塀のことをいう(同封されていた下記の写真)。小説は、その土塀と戦う入植者を描いたもので、当時、川本三郎が『文学界』の文芸時評でで激評したいう。
この復刻版とともに、現在同志社大学にゼミ「玉井裕志文学研究」を発足した番匠健一氏が、『月刊新根室』の連載中の〈「殖民学」研究から「開拓文化」研究へ〉の写しも4回分も同封されていた。もちろん内容は、「玉井裕志文学研究」であり、様々なことを知ることが出来た。
そして、玉井氏から長文の手紙もいただいたが、貴重な一文なので次号の『北方人』に収録したいと思っている。