釧路文学館企画展『鳥居省三と北海文学』のご案内

釧路文学館企画展『鳥居省三と北海文学』のご案内

釧路の文学活動を牽引した「鳥居省三と北海文学」展が、8月27日から11月20日まで開催されています。鳥居省三(1925~2006)は戦後の昭和27年に『北海文学』を創刊、その後平成18年まで続いた同人誌で、その間、原田康子桜木紫乃などの作家が生まれました。また文芸評論家として多くの作品を残しました。その足跡と、同人たちの残した作品も展示されます。

9月27日(日)は、記念講演として、盛厚三の「『釧路文学運動史』から『釧路湿原文学史へ』と、西村奈津子さんによる、父鳥居省三の思い出や、『北海文学』創刊当時のエピソードを語ってもらいます。

 

『釧路湿原の文学史』刊行しました。

ようやく『釧路湿原文学史』(藤田印刷エクセレントブックス)を刊行しました。

2013年12月の『北方人』第18号から連載したものに加筆しました。10年かかりましたが、直木賞候補になった、河﨑秋子『絞め殺しの樹』などの最新情報まで書き込むことが出来ました。

詳しくは、JRC一手扱い― 藤田印刷エクセレントブックス (jrc-book.com)で。販促用のチラシも載っています。

『北方人』第39号、発行しました。

『北方人』第39号、発行しました。今号は、最高の64ページになりました。

――目次――

創作/昭和十年生れは損をする(9)―――――――――――――― 通 雅彦(2)

翻訳/ユーリ・ツェー著『馬のための諸注意』 ――――翻訳者・大木 文雄(17)

評論/集団就職文学論ノート(6)―――――――――――――― 荒川 佳洋(27)

評論/消えも消えたり川本旗子。――――――――――――――- 川口 則弘(34)

随想/鳥居省三先生の思い出―――――――――――――――― 山崎 孝博(38)

随想/「生涯青春」―師・小宮山量平からの百通の手紙(2)―- 盛厚三・編(54)

書誌/装丁挿話(14)――――――――――--―― かわじ もとたか(Ⅰ[63])

書評/北方人の本棚 ――――――――――――――――――――――  K(64)

編集後記―― [K](64)/表紙画・フランスの古雑誌より/カット―川地 ポン



小松伸六ノート㉚ 『文芸評論家・小松伸六の仕事』 補遺その1

昨年7月に、『没後十五年 文芸評論家・小松伸六の仕事』(北方文学研究会・編)を出して、1年近くなる。その間、いくつかの新資料を発見した。今回、補遺その1として、2点紹介する。

大野晋宮本常一・他編『東日本と西日本』(日本ディタースクール出版部)

ご遺族からお借りしていた大量の新聞、雑誌等の切り抜きのなかに、新聞小説のような横長の「東日本と西日本」と題した、1枚があった。書き込みがなく、どこに寄せたものかわからず、『没後十五年 文芸評論家・小松伸六の仕事』の年譜にも入れることができなかった。この著のあとがきを網野善彦が描いているが、これは『日本図書新聞』が1960年から61年にかけて、歴史、民俗などの、東西の日本の比較をテーマに多くの人たちが書いており、「文芸の風土」として、詩人の山本太郎、文芸評論家の尾崎秀樹、そして小松伸六が、九州と北海道の文学風土を論じた「多喜二と葦平」、大阪と新潟の文学風土を論じた「織田作と安吾」を寄せている。なお、この著は、東西日本の歴史、民俗などの比較論として売れたらしく、2006年11月には洋泉社MC新書として覆刻されている。

源氏鶏太『男と女の世の中』(新潮文庫)解説

小松伸六の文庫解説は100冊以上を数え、1番多い源氏鶏太の文庫解説は21冊あった。もうこれ以上ないと思っていたが、昭和45年10月刊の源氏鶏太『男と女の世の中』(新潮文庫)解説を発見し、合計22冊になった。当時のベストセラー作家源氏鶏太の文庫解説は他にもあるかもしれない。



『北方人』第38号を刊行しました

 

『北方人』第38号を刊行しました。

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目次

時評/藤井聡太王将戦を制す  将棋・囲碁の宝―――――――  大木 文雄(2)

創作/昭和十年生れは損をする(8)――――――――――――――― 通 雅彦(6)

評論/集団就職文学論ノート(5)―――――――――――――― 荒川 佳洋(14)

評論/夏目千代はまったくの新人か。―――――――――――― 川口 則弘(22)

随想/「生涯青春」―師・小宮山量平からの百通の手紙(1)― 盛厚三・編(28)

随想/佐野晶さんのこと―――――――――――――――――― 池内 規行(36)

書評/北方人の本棚 ――――――――――――――――――――――  K(27)

書誌/装丁挿話(14)――――――――――--―― かわじ もとたか(Ⅰ[59])

編集後記――- [K] (60)/表紙画・ドイツ絵葉書より/カット―川地 ポン

宮内悠介氏から『かくして彼女は宴で語る』(幻冬舎)が届く

 先日、作家の宮内悠介氏から『かくして彼女は宴で語るー明治耽美派推理帖』(幻冬舎)が届きました。全く心当たりがなかったのですが、送り主が奥さん。かつて彼女が主宰する詩の集まりで、明治末期に起こった若き芸術家の集まりである「パンの会」に参加したフリッツ・ルンプや伊上凡骨について話したのですが、その関係で贈ってくれたようで、文中にはフリッツ・ルンプが重要な人物として随所に登場、ルンプの師であった伊上凡骨も出てきます。

参考文献として、小生が「フリッツ・ルンプ物語――日本美術文化研究家。波乱の生涯」を寄せた『フリッツ・ルンプと伊勢物語版本』(2013年 関西大学出版部)、盛厚三『木版彫刻師 伊上凡骨』(2011年 徳島県立文学書道館)が載っていました。

帯には、「明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った木下杢太郎、北原白秋石井柏亭石川啄木等が推理合戦を繰り広げる。そこに謎めいた女中・あやのも加わって――。」とあります。

出口えり氏が描いた挿画の表紙には、中央に洋人フリッツ・ルンプの姿が描かれているようです。明治末期に芸術への情熱を燃やした、青年たちの姿がいきいきと描かれています。是非読んでみて下さい

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『北方人』第37号刊行しました

『北方人』第37号を、半年ぶりに刊行しました。今号は、多くの力作があり、はじめて60ページの雑誌になりました。

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――目次――

時評/最新ドイツベストセラー小説―――――――――――――  大木 文雄(2)

創作/昭和十年生れは損をする(7)――――――――――――――― 通 雅彦(9)

評論/集団就職文学論ノート(4)―――――――――――――― 荒川 佳洋(26)

評論/橘外男をはるかに超える弟の犯罪――――――――――― 川口 則弘(32)

評論/文芸評論家・小松伸六覚え書②-太宰治と小松伸六―――-  盛 厚三(38)

随想/澤 啓祥社長のこと――――――――――――――――― 池内 規行(42)

書評/北方人の本棚 ――――――――――――――――――――――  K(25)

書誌/装丁挿話(13)――――――――――--―― かわじ もとたか(Ⅰ[59])

編集後記――-―――― [K] (60)      表紙画・カット―川地 ポン