宮内悠介氏から『かくして彼女は宴で語る』(幻冬舎)が届く

 先日、作家の宮内悠介氏から『かくして彼女は宴で語るー明治耽美派推理帖』(幻冬舎)が届きました。全く心当たりがなかったのですが、送り主が奥さん。かつて彼女が主宰する詩の集まりで、明治末期に起こった若き芸術家の集まりである「パンの会」に参加したフリッツ・ルンプや伊上凡骨について話したのですが、その関係で贈ってくれたようで、文中にはフリッツ・ルンプが重要な人物として随所に登場、ルンプの師であった伊上凡骨も出てきます。

参考文献として、小生が「フリッツ・ルンプ物語――日本美術文化研究家。波乱の生涯」を寄せた『フリッツ・ルンプと伊勢物語版本』(2013年 関西大学出版部)、盛厚三『木版彫刻師 伊上凡骨』(2011年 徳島県立文学書道館)が載っていました。

帯には、「明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った木下杢太郎、北原白秋石井柏亭石川啄木等が推理合戦を繰り広げる。そこに謎めいた女中・あやのも加わって――。」とあります。

出口えり氏が描いた挿画の表紙には、中央に洋人フリッツ・ルンプの姿が描かれているようです。明治末期に芸術への情熱を燃やした、青年たちの姿がいきいきと描かれています。是非読んでみて下さい

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