『札幌古書組合八十年史』のことなど

本が出るのは知っていたが、思いもかけず『札幌古書組合八十年史』(札幌古書籍商組合)が届いた。札幌の古書店を中心とした80年の歴史が書かれている。読み物仕立ての厚い本である。年譜も充実しており、札幌のみならず、北海道の文化も語られており、貴重なものとなっている。いったい誰が手配して下さったのだろう。「古書S」「S堂」さんらの顔が浮かぶが、いずれにせよ、感謝申し上げます。

18日、20日締め切りの『中戸川吉二作品集』約500ページの最終校正を宅急便で送った。6ケ月以上かけて取り組んでいた作品集、いよいよ印刷にはいると思うが、『北海道文学事典』とともに、刊行は6月になるだろう。部屋にあふれていた資料など、ようやく片づけることが出来るので、なにか気がぬけた状態になっている。
そして19日、鬼子母神の「みちくさ市」に参戦。うれしいことに数日前の雨の予報ははずれ、天気が良く、みちくさ日和。気が緩んでいたせいか、20分あまりの大遅刻。すでに、店は開かれ大勢の人たちが来ていた。いつも来てくださる書誌家のかわじ氏の姿も見える。出店者の皆さんには「どうしたの、心配していた」と声をかけられ、わめぞのスタッフには、どこかで倒れているのではないか、捜索願いを出そうと思っていた(?)などと言われてしまう。みなさん、ご心配かけて申し訳ありませんでした。
さて今回の「みちくさ市」、私の書架もさびしく、よい本も用意できず売上は最低。まあ、皆さんの顔を見て、元気をいただくのが一番うれしいのである。そして今回は、『北海道文学事典』『中戸川吉二作品集』のパンフを配るのが目的。それにしてもお客さんで1番驚いたのが、中戸川の「イボタの蟲」を読んでいて、わざわざ上野の「イボタの蟲」を売っているという店にも足を運んだという若い女性、いろいろ話し込んでしまい、ひとつ隣にいた書肆紅屋さんから、「今日は本を売らずに話しばかりしている」と言われてしまいました。たしかに!それにしても中戸川の作品を読んだという女性の出現は、疲れを吹き飛ばす出来事でありました。