九州の旅

5月27日から30日まで、仲間と熊本近辺に旅に出ました。阿蘇の山登りを目的とした仲間たちでしたが、体力がない私は一人で文学館などを巡りました。
まずは、雄大阿蘇の風景です。

熊本県近代文学館は、地元のゆかりのある作家たちが紹介されていました。徳冨蘆花の故郷ですが、蘆花原作・中沢弘光編画『不如帰画譜』(明治44年、佐久良書房)が本棚にあり、初めて手に取って見る事が出来ました。伊上凡骨が彫った版画がたくさん入った美しい本です。また、蘇峰会が発行する『民友』をいただいてきましたが、「関寛斎伝」が連載されていました。もう51回目になっていましたが、蘆花が北海道の陸別に寛斎を訪ねたころが描かれていました。全部読みたいので、完結したら本にして欲しいと思いました。

熊本県立文学館の近くには、熊本に住んでいたこともある夏目漱石の家が保存されていて、外観だけですが見る事が出来ました。

阿蘇にある、小さな「古代の郷美術館」を訪ねました。伊藤若冲の作品があり、本当に驚きました。館内には1点しかありませんでしたが(パンフレットには違う絵があり)間近で見る事が出来ました。繊細な、独特のタッチには驚かされました。

九州新幹線で少し足を伸ばし、鹿児島県川内(せんだい)市にある「まごころ文学館」を訪ねました。有島三兄弟の父とゆかりのある地で、里見紝を中心に展示されていました。里見の唯一の弟子であったのが中戸川吉二で、どうしても訪ねたかったところです。館の方と話したのですが、年間1万人あまりの人が訪ねてくるそうです。映画「釣りバカ日記」に、この文学館のことが出てきてびっくりしたことがあります。また、高村光太郎連翹忌運営委員会の方が、いつも『光太郎資料』を送ってくださるのですが、その雑誌が閲覧室にあり、なぜか懐かしさを感じました。そういえば、ブログで『北方人』第19号を紹介してくれていました。http://blogs.yahoo.co.jp/koyama2870041/11102261.html

晴天に恵まれた、九州の旅でした。