「参土会」へ行く

作家山下武氏が主催する第76回「参土会」のため、早めに新宿へ向い、近くの「ブ」二軒に寄る。

フリップ・ゴス『海賊の歴史』(リブルート)、小田島雄志シェイクスピアより愛をこめて』(晶文社)、文庫で長新太『キャベツだより』(旺文社文庫)など3冊を均一で。他に「特集東京っ子、夏目漱石」などがある『東京人』2冊を入手。チケットショップで、あとで見に行く、森美術館の『東京―ベルリン展』の入場券を購入。

2時から新宿区役所横の喫茶「ルノアール」で「参土会」。
今日の話は、岩田専太郎研究者である杉本征和氏の「川口松太郎『飯と汗』に見る岩田専太郎川口松太郎」からはじまる。川口の自伝的小説『飯と汗』(昭和34年)から、ライバルとして生きた2人の友情を紐解いてくれる。いま弥生美術館で「岩田専太郎展」を開催中で、雑誌など提供しているという。機会があれば行きたい。

詩人でもある内藤建治氏の「日劇で観た芸人達」は、少年時代、楽屋に出入りしてとのことで、そこで観た若き日の森繁久弥三木のり平トニー谷の話。彼らの裏話が楽しかった。山下武氏が当時のことを話し、「日劇」にいたことを始めて知る。

5時に終って、近くの喫茶店でビールを飲みながら参加者と四方山話。『映画論叢』を出している丹野達弥氏から、前回の「参土会」で話した、原田康子原作の映画「挽歌」のことについて書いてほしいと頼まれる。内藤建治氏が、先日亡くなった『古本用語事典』や『本の世界のホントの話』という著書もある、復刻版を手がけていた「湖北社」の久源太郎の話をする。独身であった久源太郎の家や会社の荷物を整理したという。どうしても処分に困ったのは家具とのこと。このひとのことを詳しく知らないが、復刻版を手がけていた出版社が消えていくのは寂しい。