大正期の雑誌装丁話(3)

今日も、ひたすら仕事。
さて、大正期の装丁話も3回め。今回は、味も素っ気もない『文芸春秋』。左は大正12年1月の創刊号だが、白っぽいのは復刻版だからだ。中は随筆だけの28ページ。今も続く、4段の巻頭随筆そのものである。表紙は、装丁というには文字だらけ、その後、もっと活字が小さくなる。右は3年後の大正14年12月発行の15年新年特別号で、文字はかなり小さい。182ページもある。『文芸春秋』が大躍進を続けていたころである。

 
大正12年1月の創刊号と15年新年特別号

ちなみに創刊号には、中戸川吉二の「荷風のこと」、15年新年特別号には、最後の小説となる「滅び行く人」が載っている。