ご無沙汰の旅日記

本当に、ブログをご無沙汰してしまった。いつも見てくれている皆さん、色々心配されていたと思う。義母、義妹の病の入退院、再入院、そして仕事の多忙さも重なって、落ち付かない数ヶ月であった。嵐のような日々が通りすぎたが、今はいたって元気です。
10月17日、仕事が終わって東京駅から夜行バスで神戸に向う。18日の朝着いて、すぐ徳島行きのパスに乗り込み、10時過ぎ到着。一休みして徳島県立文学書道館へ。今日から「伊上凡骨展」、そして小生の講演が1時半から始まる。聴衆約50名あまり、先日送っておいた、凡骨装丁の本、持参した凡骨の版画作品を見せながら、一時間半ほど話す。準備が足りなかったので、あまりうまく話せず、想いが伝わったか少々心配。鋭い質問も!終わってから、来てくれた人たちと「伊上凡骨展」の会場へ。凡骨の装丁した著書が数多く並んでいる。初めて見る装丁本も多い。それより驚いたのは、詳細な年譜の中に、明治35年9月1日の『萬朝報』に、凡骨の小説が一等入選し載っているとある。これはぜひ調べて、『北方人』に復刻したい。国会図書館に行って早く読みたいが、いつになることやらー。


その日は、徳島に泊まり、翌18日は徳島県立近代美術館へ行く。以前、凡骨のことでお世話になったE氏は不在。凡骨の作品も所蔵されているのだが、展示はされていなかったが、親しかった三宅克己の水彩画が展示してあった。親切に対応していただいた女性の方に感謝。

その後、鳴門市のある「ドイツ館」へJRローカル線に乗って行く。ルンプの俘虜時代に徳島県にあった俘虜収容所のための記念館、ルンプ図録に載っているものが、ここから出ていたことを知る。遅い昼食を、ドイツビールを飲みながらとる。


再びJRに乗り高松へ。初めての四国であり、高松駅を降りて街を散歩。大きい街で商店街を歩き、少し疲れる。夕方、再びJRに乗り岡山へ。瀬戸内海は丁度夕焼けの時刻で、遠くに見える島々が印象的であった。

岡山駅近くの安ビジネスホテルに泊まるが、最悪ホテル、二度と行かない。岡山は仕事でたびたび行っている。朝、岡山大学へ向かう途中、かつて駅前のきれいなホテルのラウンジのユニフォームを手がけたが、その着ている姿をみて感激する。10時から、岡山大学文学部の講堂で「日独文化交流史上の在日ドイツ兵捕虜とその収容所」のシンポが始まる。瀬戸先生に久々に会う。たくさんの人たちが参加していたので、長丁場のシンポ。小生の「フリッツ・ルンプ」の話は、最後から2番目で夕方近く。15分ということで話がなかなかまとまらず、少しオーバーして終了。実に有意義なシンポであった。


6時半から、親睦会。いつもお世話になっていた四国の小阪氏、元鳴門の「ドイツ館」の館長であった田村一郎先生(北大出身、今ふるさと北海道に帰って小樽に在住)にも初めて会う。小樽では、小樽文学館の文学散歩に参加されて亀井女史にも会われたとか、不思議な機縁に驚く。最後に話をされた上村直己先生は、いつもお世話になった安藤勉先生のお仲間で、今回来られなかった安藤先生からよろしく伝えて下さいとのことで恐縮してしまう(安藤先生からはがきもいただく)。

東京行き新幹線に乗るために、少し早めに中座、無事新幹線に乗れたが、東京から埼玉への最終電車に間に合わず、途中の駅まで妻に車で迎えに来てもらう。着いたのは深夜であったが、3日間、充実した日々であった。シンポの詳細はHPで。
http://kriegsgefangene.hp.infoseek.co.jp/okayama_sympo.htm