暑い「みちくさ市」でした

25日、第2回「みちくさ市」に出店。天気は予想に反して青空がのぞき、朝から暑かった。プレ開催の時、大遅刻したのでカートを引きながら早めに出発。開店は1時だったが、12時すぎに着き準備する。先に送っておいた一箱とあわせて約150冊の出品。
開店早々、仕事帰りのかわじもとたか氏が来てくれる。そのすぐ後、作家中戸川吉二の妻であった富枝さんの親類にあたる持丸さんも来てくれる。先日鎌倉文学館で開催されていた「有島三兄弟 それぞれの青春」に行って、小谷野敦さんの講演も聞いてきたという。小生、予定がたたず行くことができなかったが、そのときの図録をいただく。そこには、はじめてみる里見とん、吉井勇久米正雄と中戸川が写っている写真があった。大正13年の『人間』時代のものだろう。ほかに、俳人でもあった中戸川富枝さんの旧姓は吉田、その母堂が歌人で、歌集も出していたと、その本を持ってきてくれる。大正15年に出た吉田柳子『梨雨集』という、100ページ、300首が収めてある歌集。写しもいただき、あとで読みと、賓水生というひとの序文があり、明治45年から、大和田建樹に学んだという。そのなかには「鎌倉なる子を思いて」と付記された「わが胸のいたざさわぎよいとし子のかりの病のたよりきく時」という一首もあったが、中戸川吉二の妻であった富枝さんは16歳の結婚直後から胸を病み、夫の中戸川と鎌倉で静養していたこともあるから、それを歌ったものだろう。ほかにもわが子たちを思う母親の気持ちが歌われたものもたくさんある。実は、「かまくら春秋社」から出ている雑誌から、中戸川吉二に関したエッセイを頼まれており、このことも書こうと思っている。持丸さんからは、その他にも色々お話を伺い、お土産までいただき本当にありがとうございます。この場をお借りしてお礼申しあげます。

みちくさ市」には、いつも来られる黒岩比佐子さんも姿を見せてくれる。黒岩さんには、ぜひ見てもらいたい本を別にして持ってきていた。1800年代にフランスで出た本をアメリカの出版社が覆刻したアンティークなスタンドアップ絵本。ポップアップ絵本にも深い関心を持たれる黒岩さんは、始めてみたものらしく購入して下さる。書誌家でもある、かわじもとたか氏もメールでやり取りしていた黒岩さんを待っていたらしく、入手していた「国木田独歩書誌」を差し上げていた。前橋から津田さんも来て下さり、ほかにもたくさんのお客さんも声をかけてくださった。
今回『北方人』は間に合わなかったが、なんとは夏休み中にはものにしたい。暑い一日であったが、本は50冊以上売れ、少しは蔵書を減らすことができた。貧しい箱からお買い上げくださった皆さん、そして暑い走り回っていたスタッフの皆さん、いろんな出会いの機会を作ってくれた「みちくさ市」に改めて感謝しています。
昨日は、炎天下の「みちくさ市」疲れのためか(歳のためか)、おまけに25日以上に暑くて、なにもできずに一日過ごしてしまった。