長谷川光二と石川三四郎

オックスフォード大学で人文科学を専攻するナジーナ・ウイレムズ女史が、釧路湿原の長谷川光二と石川三四郎との関係を調査しに、北海道釧路の奥にある鶴居村を訪れたそうです。『釧路新聞』2013年1月29日の記事。

長谷川光二については、次の著書 「釧路湿原の長谷川光二  日本のソロー」(志学http://www.shigakusya.net/%E5%87%BA%E7%89%88%E7%89%A9/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E5%85%89%E4%BA%8C/)を参考に。
http://honto.jp/netstore/pd-book_25277845.html

釧路湿原の長谷川光二」  ― 日本のソロー ―

著者 伊藤 重行、大木 文雄、 盛 厚三 

サイズ:A5判・198ページ

発行日 2012年7月20日

ISBN:9784904180198

定価:2,100円(2,000円+税)

釧路湿原のある北海道・道東、北海道阿寒郡鶴居村チルワツナイ(「たくさんの丹頂鶴が棲む沢」という意味)で、その人物を知らない人たちが変人、奇人といっていたが、実は優れた思索者、俳人、牧場経営者であった長谷川光二という人物を中心に扱っている。
森の中に、こんなにすばらしい人物、家族が住み、そこのチルワツナイという聖地をカッコーの巣のようにして世界に飛び立っていった歴史的事実があった。
長谷川光二は明治32年東京日本橋の老舗長谷川箪笥店の次男として生まれ、東京高等商業学校(現一橋大学)卒業間近の大正12年に関東大震災に遭い、家業や学業成果を含む多くのものを失い、兄弟3人で北海道開拓に加わることになる。昭和3年釧路の鶴居村チルワツナイに家族を伴い入植した。
昭和50年に没するまでの長谷川光二の生活、思索、作品、交友などに関して、19世紀アメリカで著名なH. D. ソローのウォールデンの森での生活、20世紀前半、北ドイツの悪魔湿原でのハインリヒ・フォーゲラーの芸術活動などと対比しながら伊藤、大木および盛の各々の著者が詳しく紹介している。
釧路湿原の奥深くに、今は誰も棲まない長谷川の家と牧場は存在している。その形として残るものと、長谷川光二の精神を知る機会をこの一冊は与えてくれている。