矢部登『田端抄』亀鳴屋

少し前の話。1月27日、「不忍ブックストリート茶話会」で矢部登さんのトークがあり出かけた。この日は、今まで出していた瀟洒な冊子『田端抄』が一冊にまとめられ、金沢のこれもまた瀟洒な本作りで知られる亀鳴屋から出るとのことであった。会場で矢部さんからこの1冊をいただいた。
冊子『田端抄』をまとめられただけと思っていたら、新しい作品が入っている。それも、『中戸川吉二作品集』(志村有弘盛厚三編/勉誠出版)に寄せてくれた「猫の目」が収録されている。作品集が高価なため、多くの人に読んでもらえなかった随筆が、亀鳴屋版の『田端抄』に入っていただけで、とても幸せな気持になった。矢部さんありがとう。亀鳴屋のHPでも『田端抄』に詳しく触れているので、引用しました。限定508部、亀鳴屋に直接お申込みください。

この随筆がユニークなのは、書物随筆でありながら(空谷山房随筆集『人犬墨』をはじめ引例される本がすべて往時の刊本でその殆どを架藏されているのに嘆称する)書物を渉猟するだけでなくその地をその都度実際に歩いていられるところにある。
服部 滋 (栞より)

書物随筆にして、興趣横溢の散歩随筆、歴史随筆でもある。幼い頃から住まう田端にまつわる文学閑談三十四篇。併せて写真集「矢部さんと『田端抄』を歩く」(写真 小幡英典)を収録。

B6判
並製 糸かがり
本文総二七二頁
題紙2色 みずあさぎ・うぐいすちゃ
(お好みがあれば、ご注文の時にどうぞ)
限定五〇八部
頒価二〇〇〇円(税・送料別)

http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/