串田孫一『北海道の旅』に出会う

昼から大宮へ、『北方人』の印刷用紙を探しに行く。本当は大宮「ブ」(ブックオフの略、岡崎武志氏が名付け親と伝えられているが、これから頻繁に使わしていただく)へ行くのが主目的?
まずは大宮「ブ」へ。正月以来であるが、その時はなにもなかった。昨年3階まで広げたが、地下まである4層の店。まず3階の単行本売場へ、小檜山博『光る女』を手に取るが、読んでいたような気がしてやめる。2階の文庫コーナーへ。長い間探している絶版になったちくま文庫のものを探すが、やはりない!。滝田ゆうの漫画『寺島奇標譚(全)』(ちくま文庫)、挿絵が美しい池田満寿夫の『ハーフ・プライバシー』(旺文社文庫)、白石かずこの『JAZZに生きる』(旺文社文庫)を見つける。各105円。いままで見たこともないもの、読むのが楽しみ。
その後、ビックカメラに行き長い時間をかけて『北方人』の用紙を探すが、よいものがなくあきらめて店を出る。
その足で、息子に教えてもらった埼京線与野本町の「古本市場」へはじめて行く。目指す文庫を探すが、やはりない。「故郷本」の『日本随筆紀行・太古の原野に夢みて(北海道)』(作品社)、そしてジャン・バセーヌ著、宗左近訳『白い画布』(美術公論社)を見つけて買う。各105円。
帰り、岩槻駅を降りて、駅から少し離れている「ブ」へ行く。いい本に出会った記憶が少ない店。やはり今日はないかとあきらめたとき、新書の100円コーナーで、串田孫一『北海道の旅』(平凡社ライブラリー)に出会った。このライブラリーの親本は、1962年に出たもの。もう10年以上前に渋谷の古書店で見つけたが、高くて買うのをあきらめていた。平凡社ライブラリーで出ていたのは知っていたが、こんなところで会うとは!
串田孫一さんは、昨年7月に亡くなった。著書を送って手紙をもらったという知人が、一緒に訪ねようと話していたが、叶わなかった。帰りの電車で読み始める。1997年に出たこの本の「あとがき」に、1962年の3度目の北海道旅行と書いてある。どんな旅であったのだろう。今日出会った最高の本、ゆっくり読もうと思う。

家へ帰ると、『釧路新聞』から連載中の「故郷逍遥(3)」のゲラが届いていた。週1回、1年間の連載であるが、今回は、作家原田康子さんのことを書いた「『挽歌』、50年」、昨秋、札幌の北海道立文学館を訪ねたことを書いたもの。まだ始まったばかりだが、まだまだ先は長いー。