「巨人、大鵬、卵焼き」

夕方から雨になり、夜になって風が加わり窓に吹き付けている。
夜、まだ余韻が残っている昨日の展覧会のことを、ドイツなどにメールを送る。
あと、昨日手に入れた均一本を斜め読み。実は、森美術館に行く途中、竹ノ塚、梅島「ブ」に寄っていたのだ。
大鵬幸喜『巨人、大鵬、卵焼き』(日本経済新聞社)、斉藤美菜子『誤読日記』(朝日新聞社)、吉田秀和『ソロモンの歌・一本の木』(講談社文芸文庫)、中原淳一が出した『ひまわり』昭和26年1月号の復刻版などを入手していた。
面白かったのは、もう死語になっている一世を風靡した言葉を表題にした『巨人、大鵬、卵焼き』、故郷に近い川湯出身の横綱大鵬の自叙伝である。実はまだ納谷と名乗っていた幕下時代、北海道に巡業に来ていた。小学校の校庭に土俵があり、そこにやってきてみんなと相撲をとった。やがて名横綱になったから忘れるはずもない。本を読むと、その時代のことが出てきて懐かしい。
吊が得意であった、やはり故郷の阿寒出身の明武谷(上京するとき、学生服が小さくて洋服屋であった父が直してやった、とよく言っていた)と、柏戸との三つ巴の優勝決定戦のことも書いている。これは記憶がある。こまどり姉妹、野球の王、長島、作家、政治家など多彩な人物も登場し、一気に読んでしまった。

巨人、大鵬、卵焼き―私の履歴書

巨人、大鵬、卵焼き―私の履歴書

上田の小宮山量平先生から久しぶりの手紙。いつも心温まる便り。3月27日、エッセイ集『悠吾よ!−明日のふるさと人へ』(こぶし書房)を出されるとのこと。