鳥居省三『私の歩いた文学の道』が届く

週末、「北海文学」同人の夏山氏から電話があった。「中戸川吉二作品集」の実現に努力しているのだが、資金面でなかなか理解してもらえないという。やはりマイナー作家の悲哀か。というわけで、計画は縮小延期の様相になってきた。釧路に、市が出している「釧路新書」があるが、ここで計画したいという。今年度の予算組は終わっているので、実現したとしても、来年以降になるらしい。気長に協力していきたいと思っている。
昨日、『故郷逍遥』を送った小宮山量平先生から長い便り。2日もかけて読んでくれたという。鶴居でのシンポのことや、そのとき会った鳥居省三先生のことなどが描かれていた。わたしもいろいろ思い出す。91歳の現役の作家、ますますお元気である。札幌の吉田徳夫先生からも手紙。前橋のT氏からも。
そして、『北海文学』主宰であった、故鳥居省三先生の『私の歩いた文学の道』(釧路新聞)が届く。一周忌にあわせて出版されている。「釧路新聞」に同名の題で連載された遺稿集であるが、そのなかに、「自然主義最後の中戸川」という一文がある。私が『釧路春秋』に書いた「中戸川吉二論」を、えらくほめている。そんなことを書いていたことなど、いままで全く知らなかった。故鳥居先生に改めて感謝したい。なんとか「中戸川吉二作品集」を刊行して、先生の墓前にささげたい。

鳥居省三『私の歩いた文学の道』(釧路新聞