ある故郷本

朝、ようやく義母の入院がありその準備。ここ一週間ほど入院騒ぎが続いて家中が落ち着かなかった。妻や娘が義母を車に乗せて先に行く。寄るところがあったので追いかけて病院に着く。ここ一ヶ月ほど、老人性うつ状態から痴呆症の症状が出て、言動が思わしくなく不安な日々を過ごしていた。とりあえず一ヶ月の入院で様子を見る。痴呆症の老人をかかえている多くの人たちの家族の気持ちが解かるようになってきた。
病院のベットに横になった義母は、あれほど入院したくないと言っていたが、少しはあきらめて静かに落ち着いた様子。もう一人、体調の悪い義妹も抱えているが、家族も一安心。
帰り、近くに「ブ」があったので寄る。故郷本として荒木美紀子『北海道に暮らす・道東編』(長崎出版)なるものを見つけて買う。釧路のことが出ていたからだ。著者は関西から北海道に旅行中そのまま住み着いた人。読み始めたら、釧路でちいさな居酒屋をやっていた友人の弟のことが出てくる。妹の同級生でもあったが、実は昨年春にその弟が亡くなったのだ。著者が良く行った落ち着ける店と書いている。ジャズが流れる不思議な居酒屋で、帰郷のたびに私も良く行った。思わぬところで亡き友人の弟とであった。この本、寝床本として一気に読んでしまったが、著者は釧路、阿寒の徹別、標茶の虹別に移り住み、キャンプ場の管理人となっている。本の発行は2006年8月、HPもあったが、いまはそこをやめてどこにいられるのかわからない。
夜、久しぶりに落ち着いて、『北方人』の割付、原稿の整理などはじめる。本当に集中できるのは久しぶりだが、かなりはかどる。4月中には完成するだろう。寄稿者の皆さんには本当に申し訳なく思っている。もう少しです。
河内紀氏からも、寄稿されている『CABIN』10号が届く。手紙に神奈川県立美術館で開催されている「誌上のユートピア」にルンプ関係のものが出ているとある。1912年6月の『ザンボア』に載った鶏の絵と手紙があるという。色々探していたが、近代文学館にもなく、これはまだ未見。6月8日まで開催ということで是非行きたい。貴重な情報ありがとうございます。