フリッツ・ルンプが出てくる本2冊
フリッツ・ルンプが出てくる本が2冊ある。いずれも初めて知る内容である。
- 作者: 辻惟雄
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/04/21
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 236回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
その後Y教授から手紙があり、辻惟雄『岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎』にルンプが出てくると教えられた。はじめて知る内容であった。あとに国宝となった岩佐又兵衛作「山中常盤」のことである。昭和3年暮れの話。長谷川巳之吉(第一書房社主)が馴染みの神田古書店「一誠堂」に立ち寄ると、店主から「実はルンプというドイツ人が二万五千ドルで買うことにきまったものだが」と写真を見せられたという。長谷川は松岡譲に相談し、どうしても海外流出を防ごうと自宅を抵当にして手に入れたという。この著者辻惟雄氏は、直接生前の長谷川巳之吉に聞いた話と、松岡譲の一文「岩佐又兵衛の今昔ー又兵衛論争と発掘の経緯」をもとにして書いている。たしかに昭和3年ごろ、フリッツ・ルンプはベルリン美術図書館などから依頼され、絵本、美術本の購入のために3度目の来日をしている。とのときルンプが「山中常盤」を発見し入手を考えていた出来事があったのだ。あとに国宝となる美術品を!!しかしこの著の巻末にある主要参考文献の松岡譲「岩佐又兵衛の今昔ー又兵衛論争と発掘の経緯」には掲載雑誌などの記述がなく、なんとか探して読みたいと思っている。
- 作者: 徳永康元
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
ちなみに鈴木鼓村という人物については、ネットに次のように書かれていた。「パンの会」との関係については、皆無であったが…
鈴木鼓村(1875〜1931)は、宮城県亘理町の人。本名は映雄と称した。国文学と八橋流の筝曲を学び、軍人などを経て来福、足羽山に寓居を定め、福井中学の教頭を務めた。筝曲「京極流」初代宗家である。明治三一年四月より福井には1年余在住し、その後京都府立第二中学に転任。大正七年頃より「那智俊宣」と改名して大和絵を描いた。京極流はその後、福井の雨田光平が宗家を継いだ。