正月に読んだ本

正月読書用に図書館からたくさん借りてきたが、その読後感。まず田中栞さんの『書肆ユリイカの本』(みすず書房)だが、出版社の本を書誌的に徹底的に調べ上げる姿勢に驚かされる。小生、いろんな人の評伝を書いていて、その著作を見ずに孫引きとして参考文献を記述することがあるが、間違いも多く反省されられたことがあった。原典に必ずあたる、それも執念をもってあきらめないことを教わった。かつて、田中栞さんの『古本屋の女房』を読んだことがあるが、たしかそのとき娘さんをベビーカーに乗せて古本屋を歩いていた姿が描かれていたが気がする。あとがきをを読んでいたらその娘さんが大学1年生とあった。時間が流れるのが早いことを感じる。

書肆ユリイカの本

書肆ユリイカの本

田中眞澄さんの『ふるほん行脚』(みすず書房)。署名に引かれて本棚から引き抜いたが、読んで驚いた。全国の古本屋(と言っても関東中心だが)巡りの報告、北海道釧路の古本屋も出てくる。そこは故郷だという。と言うことは同郷の人ではないか!映画史専門の評論を書いている古本本好きの人物をはじめて知った。うかつというほかない。
ふるほん行脚

ふるほん行脚

ほかに、『書肆アクセスという本屋があったーーー』は、知人のコメントを改めて読む。私も良く通った本屋であったが、無くなって本当にさびしい。山本善行さん『古本泣き笑い日記』(青弓社)(善行堂がんばれ!)、林哲夫さんの『古本屋を怒らせる方法』(白水社)は物置の本棚の奥に埋もれているので、ぱらぱらと再読。ときどき新しい発見もあり、改めて古本の世界に浸る。これらの本は週末に返す予定。
正月明けのここ数日、ある講習を朝9時すぎから夕方5時近くまで受けている。一日中教室で机に向かい、講師の話を聞いているのだが、これが老体(?)にはきつい・来週1週間も続く。