「一箱古本市」無事終了

29日朝8時過ぎ、本を詰め込んだダンボール1箱をカートに乗せ、リックを背負って「一箱古本市」の会場を目指す。10時前に「千駄木の郷」に到着。ここに出店するのは初めてだが、客としてきたことがある。安田邸のとなりにある老人介護施設の静かな散歩道といったところ。今回お店を出さず(ちょと寂しい)この場所で助っ人をされるモンガ堂さんがいた。天気が良かったが風が少しある。施設から机など借り、11時オープン。開店早々からまとめてたくさん買ってくれたお客さんがいて、出足はよい。
早くからMさんがお土産の夏みかんをもって現れ、そしてKさんが差し入れの本と次号『北方人』の原稿を、続けて『山岸外史』の著者Iさんも差し入れの本を持って久々に来てくれる。少し歓談。昼前にはかなりの本が売れ、箱のなかが寂しくなる。昼に娘が手伝いに来てくれたので、用事があるというIさんと別れ、Mさん、Kさんと団子坂を下って蕎麦屋で昼食。食事中娘から電話、本が売れてもう箱のなかがスカスカになったという。

食事後、差し入れの本を少し整理して出す。午後からは少し出足がにぶったが、人出は耐えない。思いもかけず、黒岩比佐子さんが元気な姿で現れる。お互いの近況を話したが、小樽文学館で黒岩さんのコレクションによる国木田独歩村井弦斎関連の展覧会http://www4.ocn.ne.jp/~otarubun/osirase.htmlをやるという。その会場の北海道へ1回は行くと語っていた。本も1冊買っていただき、元気そうなので、なぜかうれしくなってしまう。『北方人』13号を渡し、私の本が出たら送りますと伝える。
4時、店じまい。計算すると売れた本は80冊あまり。ほかの人に絶対読んでもらいたいと思った本が売れ、なぜか安堵の気持ちになる。
打ち上げがある「不忍通りふれあい館」に向かう途中、残りの本を宅急便で家に送り、中華屋で食事をして一人ビールで乾杯。6時から打ち上げ、慣例の各賞の発表。箱と中身の個性を争うこういう賞に無縁の「古書北方人」(過去に売り上げ冊数で受賞したことがあるが)だから、油断していたら名前を呼ばれてあわてる。「古本屋ツアー・イン・ジャパン」賞をいただく。いつもブログを拝見していた「古本屋ツアー・イン・ジャパン」さんは、会場に姿を見せなかったが、賞品の大きな黒の招き猫を手渡される(あとでこの黒招き猫は、高円寺の作家ねじめ正一さんのお店「民芸の店 ねじめ」で用意されたものと知った)。受賞の理由は「渋い品揃えと安さ」ということらしい。「古本屋ツアー・イン・ジャパン」のブログに早速「一箱古本市」のことがUPされていた。金城哲夫『小説 ウルトラマン』(ちくま文庫)などを買われた人と知った。午前中にだれも買われなかった、このこだわり本を手に取った人に、思わず気になって声をかけたのだが、そのことが書かれていたとはー。それにしても、貧しい小生の箱を選んでいただき本当にありがとうございます。そろそろ「一箱古本市」も引退、卒業と思っていたが、今度はこの「黒招き猫」を持参して参加しなくては!

四十肩に耐えながら、楽しんだ「一箱古本市」。スタッフ、助っ人の皆さん本当にありがとうございました。5月2日の「一箱古本市」は、お客として回ります、夜の打ち上げに参加します。また、お会いしよう。