『ビブリア古書堂の事件手帳2』を読む

なぜか、いま話題の『ビブリア古書堂の事件手帳』2を読んだ。今日テレビドラマが始まるのだが、その前にどのようなものなのかを知りたく手に取ったのである。予想以上に面白い。これは、古本を巡る推理小説である。かつて紀田順一郎氏が古本を巡る推理小説をたくさん書いていたが、登場するのは古本オヤジばかり。『ビブリア古書堂の事件手帳』の主人公は、若い女性であり、また美人でもある。その知識も半端ではない。まあ、こんな古本女子が現実にいるとは思えないが?(いたりして)。本を読み、ドラマを見て、たくさんの古本女子が生まれることを望みたい!?古本を巡る日本の未来は明るい?テレビドラマでは、その本棚に興味がある。当然セットであるが、どんな本が並んでいるのだろう。観た感想は後でー

さて、テレビドラマ「ビブリア古書堂の事件手帳」を観た感想。
1、今回は戦後に出た新書版の『漱石全集』(岩波書店)の漱石のサイン本の話だが、当然冒頭から偽物という話からはじまる。大判の漱石全集は、没後に出たものであるからあたり前だがー、最初の『漱石全集』は、大正6年に出ている。その装丁の表紙に使ったのは、『こゝろ』(大正3年)に使われた中国古代の石鼓文拓本の柄で、時々画面に映る。『こゝろ』、最初の『漱石全集』の木版を彫ったのは伊上凡骨である。それが、新書版の『漱石全集』にも受け継がれている。当然印刷としてだが、この経緯については『木版彫刻師 伊上凡骨』(ことのは文庫)に詳しく書いた。
2、舞台セットの本棚の本が良く見えない。時々映る洋書の棚、かろうじて、どこかの日本文学全集が収まっているのが見える。あまり貴重な本があると思えない。古本好きから見れば、古書店としてはちょっとさびしい。
3、お客が、ほとんどいない。これで古書店を続けていかれるのか、ちょっと心配。
4、原作では、栞子の妹が出てくるのだが、ドラマでは弟として出てくる。原作『ビブリア古書堂の事件手帳2』では、栞子の妹が重要な登場人物として出てくるのだが、ドラマの先が心配になってしまう。
などと、勝手な想像をしながら観てしまいましたが、古本を巡る推理ドラマとして楽しめれば良いと納得しょう。