岡崎武志『古本道入門』を読む

今、近所に新古書店があるのだが、新刊本を買うには、車か自転車かあるいは、電車で出かけなければならない。一番近くの書店になかった、岡崎武志『古本道入門』を電車に乗って少し大きな書店で入手する。
電車の中で読み始めたら止らない。乗り換えのホームでも立ち読み。なにせ、かつて通った古本屋、知人、先輩など固有名詞がたくさん出てくるからだ。私の「古本道」は数十年になるが、ピークは40代から50代にかけてか?近代文学研究のために、古本屋、神田、五反田、高円寺の即売会、デパートの即売会をよく駆け巡り、目録で本を買い、古書道の大先輩山下武氏の主宰する研究会にも出かけた(岡崎氏も出たことがあると聞いている)。60代に声がかかった頃、古書店、即売会周りは少なくなり、溢れた蔵書を大量処分し少しは減らしたが、今は主に目録、ネット、近くの「ブ」で買うのみ。若い人たちに混じって「一箱古本市」「みちくさ市」などに参加して、「古本道」を楽しんでいる。『古本道入門』は、まるで自分が歩いてきた世界が、鏡のように写っている。本当に「古本」の世界は楽しい。《敷居は低いが、奥は深い。「本好き以上、古本通未満」の方へ」》と帯にあるが、若い人たちに贈る、楽しい「古本道入門」である。岡崎さん、また楽しいお酒を飲みましょうー古本を肴にしてー
この本のすばらしい書評があります。ぜひ読んでください。http://ramble-in-books.cocolog-nifty.com/blog/