ルンプの妻Alice Hellerのこと


ドイツのベルリン森鴎外記念館館長のベアーテ・ヴォンデ女史から、ルンプとその妻になるAlice Hellerの日本滞在に関する記録・資料の有無を知りたいとのことで、伊東市の「木下杢太郎記念館」に連絡があり、その後「チンタオ・ドイツ兵俘虜研究会」を経て、私の所に連絡が入ったのは数週間前のこと。小生「フリッツ・ルンプ物語」を書いていて、色々調べていたが、妻Alice Hellerについて、日本での資料のなかにはなにも見つけることが出来なかった。1989年にドイツのベルリン日独センターで開催された、「Du verstehst unsere Herzen gut―Fritz Rumpf(1888-1949) im Spannungsfeld der deutsch-japanischen Kulturbeziehungen」の回顧展の図録に、ルンプと一緒に写った日本での写真が1枚あるのみ。それが上の写真。アリスは、1914年(大正3年)夏、ドイツで日本語の勉強して日本でルンプと生活するために来日したが、日独戦争が勃発。ルンプは兵役にとられてチンタオへ、アリスは日本での生活の夢破れ、あわただしく帰国した。わずか1週間の日本滞在であった。
その後ベアーテ・ヴォンデ女史から直接連絡があって、小生の「フリッツ・ルンプ物語」を読みたいととのことで、お送りしたが、無事届いたとの連絡があった。
ちなみに、アリス・へラーに送ったルンプの書簡200通あまりが、ベルリン国立図書館のドクトル・ハルトムート・ヴァルラーベンス氏の手によって、『ヤポニカ・フンボルティアナ(Japonica Humboldtiana)』(第3巻〔1999〕、第4巻〔2000〕、第5巻〔2001〕、フンボルト大学)に収録されているが。なんとか日本語訳の本が出版できないものかと考えている。