古書モンガ堂&西荻ブックマーク

9月最後の昨日の午後、台風が接近するなか西荻窪に行く。目指すは先日開店した古書モンガ堂。おみやげは自著数冊(売れると良いけれど)。マンションの1階のこじんまりしたお店。一箱、みちくさ市では想像できない品揃えである。古書を見る目は確か。棚は作家別の本が並べられ、それも渋い作家ばかり。思わずうなってしまう。ギャラリーともなっており、壁には作品が飾られている。貸しだ棚もそれぞれの出品者の個性が光る。私の理想としていた古書店でうれしい(私はこんな古書店を作りたかったのだが、断念していた)。夢をかなえたモンガさんに敬服。
戦前の黒っぽい本が並ぶ一ヶ所に興味深いものがある。吉田絃二郎の本はかなり持っていたがはじめて見るものが数冊、それも恩地孝四郎の装丁である。その棚から小穴隆一『鯨のお詣り』(昭和15年)買う。後記に「板の彫りには伊上次郎を煩わした」とあり、故伊上凡骨の息子とも書いている。実際は養子で二代目凡骨である。このこと、モンガさんが、ブログで詳しく書いてくださった。http://monganao.exblog.jp/
古書モンガ堂に1時間ほど滞在し、森林浴ならぬ古書浴にひたる。

そのあと、台風の雨が降りはじめるなかを、西荻ブックマークの岡崎武志氏と京都の古書善行堂山本善行氏の対談を聞きに行く。楽しいトークショーであったが、二人の対談のなかで中戸川吉二の作品集が出ることを話題として語ってくれた。感謝。最後に、岡崎氏のイラストが入った古書善行堂のお守り札をいただく(良い古本にめぐり合うことが出来る札)山本氏と会うのは7年ぶりだが(古書会館で行われた荒川洋治氏のトークショーのとき)、今回は最後に、中戸川吉二の作品集のチラシを置いてもらうことなどを少し話す。

打ち上げに参加したかったが、台風が心配で7時半ごろ電車に乗る。新宿駅で山手線に乗り換えようとしたら、線路に倒木があるとのことで電車が止まっており、急遽路線を変更、中央線、地下鉄を乗り継き、東武線の電車はノロノロ運転、風が強く小降りの雨のなか10時半ごろに自宅到着。