受贈雑誌 その1

しばらくブログを休んでいた。その間、たくさんの雑誌をいただいてている。お礼の返事も書いていないが、ここで感謝申し上げ、その感想を紹介したい。
『Biblia』№62 山形Biblia(ビブリア)の会

杉沼永一氏の「真壁仁の詩の世界(59)」は、真壁の友人であった芥川賞作家後藤紀一との関係についてであった。実は、今「釧路湿原文学史」を書き進めているのだが、後藤紀一がこの地方を見た印象を「毎年、冬になると、釧路に行きたくなる。黄褐色の枯草のみが、どこまでもどこまでも続く、あの、気が遠くなりそうな、広漠とした根釧原野、そのど真中に、自分を佇たせてみたくなる。あのとき、原野の果て、紫色にたなびく冬靄の中に、二つの、まぶしく光るものを見た。雄阿寒と雌阿寒である。神は凍原の中に、二つの水晶を飾った、と、そのとき僕は思った」と書いている。さすが画家であった後藤紀一の紀行文である。この文章は、地元の雑誌の「道東の旅」(『釧路春秋』第3号)からの引用だが、実はどこから引用したものわからず、現在調査中である。
『一寸』№56号 書痴同人

美術研究の読み応えのある雑誌で、いつも楽しみにしている。今回は岩切信一郎氏の「海老原喜之助と雑誌『セルパン』の表紙画」を興味深く読んだ。この雑誌、私の研究対象である人物のエッセイなどが載っているので、神田の古書市仕入れて何冊か持っている、表紙画を海老原喜之助という画家が手がけていたことを始めて知った。
『大和通信』第97号 海坊主社

大阪の中尾務氏が贈ってくださったものであるが、いつも楽しみに読んでいるのは、中野朗氏の「川崎彰彦を探して」だが、今回は第12回目になる。川崎彰彦は、北海道新聞社に入社し函館にいたこともある人物で、私にとってはほとんど未知の作家である。確か川崎の『私の函館地図』を持っているのだが、書庫に埋もれて探し出せない。あるブログには、北海道での川崎彰彦の足跡が書かれている。http://ishiyamado.blog106.fc2.com/blog-entry-751.html