『北の話』を調べる

北海道旅行の最後は札幌で2泊。大きな目的は道立図書館に行って雑誌『北の話』を調べることだったが、札幌中央図書館にもバックナンバーがあることを知ってそちらに出かける。『北の話』は1963年に発刊され、1997年に202号を出して終刊した。北海道に限らず中央からも多くの作家が寄稿した小雑誌である。第1の目的は、その誌に、芥川賞作家後藤紀一の道東地方を旅した紀行文があるのではということであった。札幌中央図書館のバックナンバーは80数冊しかなかったが、そこには残念ながら後藤紀一の作品はなかった。
ただ、一冊づつ調べていて、いくつかの発見があった。いつも大阪から『大和通信』が送られてくるのだが、そこに川崎彰彦の評伝が連載されている。函館に住んでいたこともあるのだが、大阪の牧方から多くのエッセイを送っていたことを知った。そして、田中小実昌のエッセイも多い。いくつかは単行本、文庫で読んでいたものがあるが、初めて読むものがいくつかあった。そして、原田康子が多くの詩を寄せていること、文芸評論家であった小松伸六が寄せた多くのエッセイ、などなど。今回、すべてのバックナンバーを見ることが出来なかったが、改めて調べたいと思っている。
なお、津田遥子編『「北の話」選集』(2000年、北海道新聞社)が出ているが、そこには75編のエッセイが収録されている。