拝受多謝1

志村有弘先生(相模女子大学名誉教授)より『怪奇な話−本朝不思議物語』(河出文庫)、そんなに日がたたないうちに『役行者のいる風景ー寺社伝説探訪』(新典社選書89)が送られてくる。いずれも日本の伝承文学に関するものだが、後者には埼玉の寺社も紹介されていて興味深い。

山形の「山形Bibliaの会」を主催する杉沼永一氏から『Biblia(ビブリア)』第64号が送られてきた。杉沼の「真壁仁の詩の世界(61)−齋藤茂吉と真壁仁」を興味深く拝見。茂吉の歌集『あらたま』(大正10年)は、木下杢太郎の挿絵を伊上凡骨が彫っている。また杢太郎への追悼文「追憶」(『文藝』昭和20年12月号)にはフリッツ・ルンプの名も登場する。私にも茂吉の存在は大きく、詳細な年譜が参考になる。氏の収集した茂吉の葉書・書簡が54通、カラー写真で載っている。これは貴重なもの。新しい『齋藤茂吉全集』の刊行が待たれる。それから数日後、杉沼氏から、『Biblia(ビブリア)』を次号65号で終刊にすりという便りがあった。年2回の刊行だから、約30数年出し続けていたものである。終刊は本当に残念だが、いまはただ「おつかれさま」とだけしかいえない。そしてまた、杉沼永一編『詩人・真壁仁とその周辺』(山形Bibliaの会)も届いた。長い真壁仁研究の結晶である。そして、まだこれからも追い続けるとの「あとがき」に、また私も励まされている。