回想と戸惑い

雨の中、仕事で大宮へ行く。夕方解放されて「ブ」に寄る。久しぶりだったが、今日は珍しく欲しいものがたくさんあった。函館生まれの作家の評伝である室譲二の『踊る地平線ーメリケンジャツプ長谷川海太郎伝』(晶文社)、『神田日勝』(北海道新聞社)、里見トンが出てくる矢野誠一の『文人たちの寄席』(白水社)、『新書百冊』の一冊『東西書肆街考』(岩波新書)などを入手、読む楽しみが倍増。
電車のなかで坪内祐三『一九七二』を読み終える。あさま山荘事件の年、テレビで見ていた風景がよみがえる。そのころ学生時代で、夜、渋谷のデザイン学校にも行っていたが、宮下公園から流れてくる催涙ガスで授業が中止になることもあった。1972年とは、あらゆる意味で大きな変革期であったかも知れない。
偶然そのデザイン学校の、かつて編集にも携わっていた同窓会ニュースが届いていたが、当時の様々な思い出と重なる。そこにはイラストを教えてもらった矢島功先生の訃報もあった。まだ60歳。去る17日にお別れ会もあったという。
『北海文学』から、鳥居省三先生の追悼号原稿依頼の手紙あり、年内の発行を目指すという。『北海文学』の存続については結論が出ていない。私の思っていた方向とは少し違い、内心戸惑いがある。
ここ数日は、色々悩むことになりそうである。