伊上凡骨の小説「金春稲荷」

国会図書館で調べた、伊上凡骨の小説。『萬朝報』明治35年9月1日に載っていた。題名は「金春稲荷」。その前日の8月31日には「第290回懸賞小説当選披露 応募原稿112通の内左の一篇を当選とす 『金春稲守』京橋区常磐町二番地 伊上純三」とある。題名は誤植と思われるが、当選の名は本名、小説は「凡骨」として載っている。明治34年といえば、凡骨が『明星』に初めて木版彫刻をして4月に「凡骨」を名乗っている。この小説、『北方人』に復刻する。

昨年末に、小宮山量平先生から『自立的精神を求めてー季刊「理論」の時代』(こぶし書房)を贈られた。よく先生から聞かされていた『理論』の時代の話が主体。そして、巻末には、現在の児童中心出版以前(1948−1961)の単行本出版目録が載っているが、長野の上田で見た、膨大な本が納まった書架を思い出す。今朝、この本を入手したいと、札幌のY先生から電話があった。

年が明けて気になっているのは、『北方人』の発行のこと。いただいている原稿のレイアウトは昨年に完成しているのだが、まだ送っていない。寄稿者にご迷惑をかけているが、本職の仕事がもうすこしで落ち着きそうなので、その後にご連絡したい。本当に申し訳ない。
3月1日、山下武先生の出版記念会(紀田順一郎先生が音頭をとっている)があり、それまでには発行する予定。