映画『僕等がいた』を観る

久し振りに、映画館でロードショーを観る。映画『僕等がいた』。昨年7月に帰郷したとき、地元では、この映画のロケのことが話題になっていた。少女コミックが原作で、作者小畑友紀はこの街住む人という。年代が違うので全く知らなかった。コミックの第1巻を見たが、ここには、釧路という固有名詞は出てこない。50年以上前の、原田康子の小説『挽歌』、そして作家を感じさせた(この小説にも街の名前は出てこない。作者も故郷を離れず創作を続けた)。小さなカットの風景の挿絵が、懐かしいの風景を想わせる。

映画には、懐かしい故郷の風景がたくさん出てくる。幣舞橋の風景、子どものころ良く遊んでいた栄町公園(ここは、矢野の誕生日に待ち合わせた場所、二人は結局会うことができなかった)、夜の街灯に浮かぶ住宅街、ある病院の風景(ここは、昨年義弟の見舞いに何度も行った病院だ)、頻繁に出てくる海が見える学校(ここは、釧路から離れているが、厚岸湾が見渡せるところだ)、学校名は釧路第一高校(この高校は実際にあったが今はない。亡くなった兄が教師をしていた)、緑の野原を歩く二人が出てくる海岸線に広がる風景(白糠の海岸だろう)。そして、最後に出て来るのは、釧路駅での別れの風景。それにしても、故郷の風景が美しい。カメラアングルのせいなのか。それとも、この地域の一番良い季節(6〜7月)に撮影した効果だろうか?この映画の予告にも、その風景を見ることができるので、ご覧あれ!http://bokura-movie.com/index.html
ストーリーよりも、故郷の風景に惹かれた観た映画だが、どうしても、原田康子の小説『挽歌』、映画『挽歌』と重なってしまう。もし原田さんが健在でこの映画を見たら、どんな感想をもったろう。
地元では、ロケマップも出ている。『挽歌』ブームの再来か!