『一箱古本市の歩きかた』を読む

16、17日と『北方人』第13号の印刷、寄稿者などに40部近くを送り、この1年近く遅れた不義理を果たして、少しホッとする。北海道行きのための連絡も取り、滞在のスケジュールも決まる。先日亡くなった作家原田康子さんの「しのぶ会」は12月地元釧路で開催される予定とのことだが、出席することは出来ない。
17日夕方の雨の中、本質発売予定の南陀楼綾繁さんの『一箱古本市の歩きかた』を探しに新刊書店に行く。小さい本屋であるかどうか心配であったが、ちゃんと1冊本棚に並んでいた。

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

帰宅後、『一箱古本市の歩きかた』を読み始める。2005年4月、谷中で開催された第1回にはお客でいったが、その時さまざまな人たちに出会い紹介され話をした。楽しそうなので第2回から店主の参加した。それから4年の歳月が流れたが、店主としてあるときは客として「一箱古本市」で、本と人の出会いを楽しんできた。この本を読んでいると、そのときどきのことが色々よみがえってくる。ただただ、南陀楼綾繁さんと周りの人たちの熱意と行動に感服してしまう。第2部からは、全国に広がっていった「一箱古本市」のことを書かれているが、そのどこにも顔を出したことがないので、さまざまな形で展開されていったことが手に取るようにわかる。これは、地方の文化活性化の新しい試みのひとつではないかと思う。読みながら、クレヨンしんちゃんがいる、わが街春日部で「一箱古本市」をはじめるとしたら、どんな形で開催したらおもしろいか、などと勝手に考えてしまった。最後に「全国ブックイベント年表」があるが、そのリストを見ながら、神田、早稲田、池袋など、本を探して歩き回っていた日々を色々思い出してしまった。